AIRSYNC
- 役割
- UIデザイン — アプリ(運用ダッシュボード)とWebサイト
- 種類
- 民泊・旅館運営者向けのゲスト対応自動化サービス
- 体制
- 友人と共同で運営する事業。チームの一員として参加
- 状況
- 運用中 — airsync.jp
AirSyncとは
民泊や旅館の運営では、ゲストからの問い合わせ、予約の確認、清掃の手配といった仕事が絶え間なく発生します。AirSync はそれを引き受けるサービスです。予約管理システムと連携して情報を取り込み、AIがゲストへの返信を下書きし、運営者はダッシュボードで確認して判断します。
友人が先行して立ち上げた事業に、途中から加わりました。最初はアプリのUIから。そのあと、Webサイトも任されました。
参加した時点
加わった当時のダッシュボードは、背景が真っ黒で、色はばらばら、SF映画のような画面でした。民泊のアプリなのに、なぜか宇宙船を操縦している気分になる。
民泊は、突き詰めれば接客業です。オーナーが毎日使う道具に、かっこよさは要りません。ミスなく、的確に、情報が伝わること。それがすべてで、デザインは主張をやめて道具に徹するべきだ——最初に下した判断はこれでした。
判断を原則にする
感覚のまま進めず、判断を文書に残しました。
- 明るい画面を基本にする。日中、長時間使う業務の道具だから
- 装飾より情報の整理。1画面1目的
- 画面を開いた瞬間に「何を判断すべきか」が分かること
- 派手な色、光る影は使わない。目が疲れるだけで、判断の役に立たない
原則として書き残したことで、以後のすべての画面を同じ基準で作れるようになりました。
前提が変わる
当初のWebサイトの見出しは「静けさを、お届けする。」でした。運営を完全に自動化するから、オーナーは何もしなくていい——そういう前提の言葉です。
ですが開発が進むにつれ、プロダクトの考え方が変わりました。AIにすべてを任せるのではなく、安全な範囲だけAIが下書きし、危ない判断は人間に渡す。どこまで任せるかは運営者が自分で調整できる。全自動をやめて、人が判断の中心に残る設計になりました。
完全に自動化しないのなら、「静けさ」は嘘になります。言葉を捨てました。
サイトを作り直す
最初のWebサイトは、機能を丁寧に並べたカタログでした。掲載を点検すると、22の売りのうち、きちんと伝わる形になっていたのは2つ。文字は多いのに、各セクションで何を伝えたいのかが分からない状態でした。
機能を並べても売れない。そう結論して、直すのではなく、作り直すことにしました。新しいトップページには機能名をひとつも載せていません。代わりに、このサービスが何を信じていて、どこへ向かうのかを語る構成にしました。
言葉が着地する
見出しは何度か書き換わって、「使うほど、物件に詳しくなるAI。」に落ち着きました。業界を再定義するような大きな言葉ではなく、顧客を主語にした、具体的な約束です。
画面のデザインで下した「主張しない」という判断と、同じ場所に言葉も着地しました。
制作の進め方
制作にはAIを組み込んだフローを自分で組んでいます。リサーチと壁打ちを重ね、判断基準を design.md という文書に言語化してから、形にする。実装はAIに任せ、出てきたものを見て、直して、決めるのが自分の役目です。
判断を文書にするのは、AIのためだけではありません。基準が言葉になっていれば、画面が増えても迷いません。